画像診断技術の歩みと人工知能研究の推移

人工知能研究の推移

1895 W.C.RoentgenX線を発見

1898 M.Curie & P.Curie:ラジウム(Ra)とポロニウム(Po)を発見

陸軍軍医学校にわが国最初のX線装置を設置(Siemens社)

1913 W.D.Coolidge: 灼熱形熱電子X線管・Coolidge X線管を開発

1928 R.Reynold: レンズを使った最初のX線映画法を行う

1929W.Forssmann:心臓カテーテル法を考案

1930E.O.Lawrence:サイクロトロンを考案

1937 わが国最初の小サイクロトロンが稼働(大阪大学と理化学研究所)

1942 K.T.Dussik: 超音波(ultrasonic waves,US, エコーなどと呼称)を臨床に適用

1946E.Purcellら、F.Blochら:核磁気共鳴法で核の磁気モーメントを発見(NMR信号の発見)

1946 世界最初の大型汎用デジタルコンピュータENIAC(エニアック)公開

1950チューリングテストの提唱

1952 世界初の医療用直線加速器(リニア・アクセラレータ)が稼働

我が国最初の国立系付属X線技術師学校を大阪大学医学部に創始

1955最初の医療用サイクロトロンが稼働

1956〜1974第1次人工知能ブーム(探索と推論)

1956ダートマス会議にて「人工知能」という言葉が登場

1958ニューラルネットワークのパーセプロトン開発

1964人口対話システムELIZA開発

1966E.Kodak社:90秒処理の歴史的自動現像機X-OMATを発表

1968 L.Leksell(脳神経外科)ら:定位放射線治療の基盤となるガンマナイフを開発

1972 G.N.Hounsfield:コンピュータ断層撮影法(X線CT)による頭部撮影に成功

1972初のエキスパートシステムMYCIN開発

我が国の循環器系X線検査システムが一般化

1973 P.C.Lauterbur:NMRの映像化に成功

1974〜1980 冬の時代

1975我が国最初のX線CT、東京女子医科大学に設置

Phelps M.E.: Ter-Pogossian M.M(Washington Univ.) 最初の人用PETを開発

1979MYCINの知識表現と推論を一般化したYMCN開発

1980 Aberdeen大学、Nottingham大学、Hammersmith病院でMRIの臨床実験が始まる

1980〜1987第2次人工知能ブーム(知識表現)

1982音声認識画像診断システムの実用化。PACS構想の実現へ

1982〜1992第5世代コンピュータプロジェクト

1983文部省高エネルギー加速器研究機構(KEK)で陽子線治療が開始

J.L.LehrがPACS(医療画像の収集と保管、ネットワークによる伝送と観察)の分類を提案

1984知識記述のサイクプロジェクト開始

1985DICOM1.0発行

1986誤差逆転伝播法の発表

1987 K.Doiら:コンピュータ支援診断システム(CAD)を提案、一連の研究が始まる

1987〜1993冬の時代

1989 Siemens Medical Systemd社:スパイラル(ヘリカル)CTを発表。

1980年代後半、高速MR撮影方の研究が進み撮影時間が短縮

北海道大学はFCR7000シリーズを端末機にして世界最初の全病院規模でのPACSを実現

1990電子保存スタート(JIPACS、MEDIS-DC)

1990世界初のWebページ

我が国で全身(marged)SPECTを臨床で実施

我が国で画像評価・解析にファジイ理論やニューラルネット理論、

フラクタル解析が医療領域に適用

カラー ドプラー法による超音波三次元表法を開発

1991我が国で亀田総合病院が電子カルテシステムの診療を開始

1992J.Aslerら:サイバーナイフを開発 Stanford大学で治療を開始。世界各地で急速に普及

1993DICOM(デジタル画像のフォーマットと通信プロトコール)Ver.3.0規格を制定

インターネットブラウザ「Mosaic」が開始。その後Internet Expolorerなどに引き継がれ、

wwwとともにインターネット時代の幕開け

我が国で放射線医学総合研究所にて重粒子線癌治療装置が稼働

1994K.Doiら:最初の乳房画像CADシステムの試作装置をシカゴ大学に設置

1995 この頃から超音波診断装置のデジタル化が急速に進み、心エコー法の分野にハーモニック画像処理技術を適用

1996 X線固定平面検出器(FPD)の実用化に向けて研究と開発が加速

GE社:MR-IGTとMR-内視鏡を開発

デジタルマンモグラフィの実用化

1997 L.R.Webberら:低価格で低線量の多断面再構成法の(TACT)に基づくtomosynthesis法を開発

1997 IBM「Deep Blue」がチェスの世界チャンピオンに勝利

BrainAB社:総合定位放射線治療装置ノバリスを発表

F-FDGを用いたPET、あるいはSPECTが核医学診断の主流になる

世界初大型PACSの定量的技術評価が発表された

1998 米国において世界初のPET-CT装置が設置。同時にFDG-PETが公的保険の認可を受ける

R2-Technology社:乳房画像CAD image Checker System M1000の実用臨床装置を開

発。米国におけるCAD元年と呼称

MR angiographyが、頭部や胸部、腹部、四肢など全身を対象に広がる

分子イメージング(画像)の研究が始まる

SIEMENS社:毎秒8㎝のボリュームスキャンを可能にしたマルチスライスX線CTを開発、販売

この頃から新しい放射線治療技術 強度変重放射線治療(IMRT)法が定着していく

1999IHEスタート(RSNA、 HIMSS)

マルチスライスCTが本格的に稼動

2000 線量分布計算に必要なカーネルの定義とその形状の吸収線量への変換が商用機の放射

線治療計画システムに採用

2002PETとCTの融合装置(PET-CT)の開発

2003 多列式マルチスライスCT 三次元CT世代から超多列(DAS)方式の四次元CT時代へ

人の全遺伝子の配列が明らかになった

2004 CADの普及が広範囲に進む

64列(DAS)MDCTの普及。頭部や胸部、腹部、大血管領域で幅広く臨床に適用

2006〜 第3次人工知能ブーム(機械学習)

2006ディープラーニングの提唱

2007陽子線治療の世界的な普及が始まる

2009マンモグラフィが急速な勢いでアナログからデジタルへ移行

2010 日本でCT、MRI、PACSなど診療機器、システムの普及が進む

2012 ディープラーニング技術を画像認証コンテストに適用

2015 東京大学医科学研究所「がんゲノム解析」にAI「Watson」を活用

2015AlphaGoがプロ棋士に勝利